「アレルギー全般」カテゴリーアーカイブ

アレルギーの種類による皮膚テストの違い

アレルギーの皮膚テストには

①プリックテスト ②パッチテスト

の2種類があり、違うアレルギー反応を検査しています。

①プリックテスト

抗体を介したアレルギーに対する検査です。一般的には原因物質との接触から1時間前後に症状が出現します。疾患で言うと食物アレルギー、アレルギー性鼻炎が主になります。皮膚症状でいうとアレルギーが原因の蕁麻疹です。蕁麻疹は24時間で改善するのが目安です。

食材から抽出した(作成した)市販のアレルゲンエキスを垂らした上から、または食材そのものに刺しておいた針で、前腕をチクッと刺します。15分後に、刺した場所の皮膚の膨らみ(膨疹)の大きさを測定し、判定します。3mm以上は陽性です。下記が当科での陽性例です。この例では膨疹が7mmでした。

抗体を測定する血液検査よりも早く結果がわかり(検査15分後)、患者さんの支払う医療費は安く済みます。また、乳児では実際にアレルギーでも抗体がまだ上昇していない例もありますが、プリックテストは陽性になることがあります。血液検査では検査項目にない食品でも、プリックテストなら、直接食材を利用することもできます。

②パッチテスト

抗体を介さない、免疫細胞が主役のアレルギー反応に対する検査です。一般的には原因物質との接触から12〜24時間以降に症状が出現します。皮膚症状で言うと、いわゆる“かぶれ”(接触性皮膚炎)の原因物質を推測するための検査です。金属アレルギーや薬剤が原因の皮疹の検査にもなります。

小さなコイン大のお皿に市販のエキスや疑われる物質をのせます。そして、上背部にそのままペタッと貼り付け、48時間後に剥がします。そして48時間後、72時間後、時に1週間後に“かぶれ”ていないか判定します。(下の写真は”アレルギー検査と免疫療法の実際”より)

もちろん、どちらの皮膚検査も陽性=アレルギーではありません。陽性結果、陰性結果は目安です。エピソード、血液検査、負荷試験など総合的に判断します。

アレルギーの種類によって検査を選ばないといけません。治療薬もこの2つのアレルギーでは違います。主な治療薬はプリックテストで検査する蕁麻疹は抗ヒスタミン薬の内服、パッチテストで検査するかぶれはステロイド軟膏です。時々、蕁麻疹に対してステロイド軟膏を塗っておられる方がおられますので、ご注意を。

ちなみに当アレルギー外来ではまだパッチテストの準備ができておりません。金属アレルギーの検査のお問い合わせがありますが、申し訳ありません。

独り言:薬剤のプリックテストは大変です。薬剤のアナフィラキシーは重篤になる可能性があるので100万倍近くに薄めた濃度から開始し、陰性だったら10倍の濃度に上げて、実際に投与する濃度まであげていきます。抗菌薬のプリックテストをしたときに準備した薬剤です。これを1つずつ検査していきました。すべて陰性でしたので2時間かかりました(TдT) でも患者さんにとっては陰性でよかったです\(^o^)/

ちなみに薬剤によるアナフィラキシーはプリックテスト、薬剤による皮疹(薬疹)はパッチテストですよ。

治療継続のためには周囲のフォローが必要

年末よりついに英会話を始めました。きっかけは米国で開催されている国際アレルギー学会の講演動画がインターネット上で毎年販売されていることを知ったからです。でも、受験英語の延長なので、読み書きはまだいいですが、話す聴くはできません!講演動画を見ても、スライドの文字でほんの一部しか理解できませんでした。英語の勉強自体はもう何度挫折したことか・・・いつも1ヶ月続くかどうかでした。

でも、この学会の動画はどうしても理解できるようになりたい、これが理解できるかどうかで今後の自分の診療の質が変わると思い、英会話を始めました。中々通うのは難しいのでテレビ電話でしてもらってます。週1回、時間はたった30分です。

しかし、これがとても大切でした。レッスンがあることで英語の勉強をする動機づけになってます。つじつまをなんとかあわせるような状況もありますが、これからもやっていけそうです。

治療においても継続は難しいです。症状がないのに、毎日吸入をする、湿疹がないのに毎日スキンケアをする・・・数字で見たのが下の画像です。喘息で吸入治療を始めても3ヶ月後には半分の方が吸入治療を自己中断しています。

薬剤を処方して、医療側の役割は終わりなのでしょうか。治療の内容によっては校内・園内で吸入・内服・軟膏塗布が必要なこともあります。それは本人任せでいいのか。これだけインターネット・デバイスが発達したのだから、メールやアプリでの介入はできないのか。多くの素晴らしい治療薬が開発されてきましたが、未だに多くの子が喘息の小発作をよく起こす、肌がカサカサしている・赤みがある、鼻水をズルズルしている・・・まだ多くの課題が残されています。

学校の昼休みにシャワー浴をする・しないでアトピー性皮膚炎の児童の症状がどうなったのかを検討した国内の報告です。症状スコアは点数が高いほうが症状が悪いことを意味します。シャワー浴開始2週後よりシャワー浴をした群での皮膚症状が改善しています。シャワーは大変かと思いますが、ちょっとした介入で症状が今よりも改善することは期待できます。

 

多職種が協力して、アレルギー疾患の子を見ていくことが必要かと思います。