保育士さんの質問に答える その3

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「アレルギー疾患の種類と症状について知りたい」

アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーと一度は耳にしたことがある病名ばかりだと思います。

でも、ここで仲間外れがあります。そう、食物アレルギーです。食物アレルギーだけがアレルギーを引き起こす原因(食物)が病名となり、残りのアレルギー疾患は症状が病名になっています。

また、別のグループ分けができます。それは①抗体と原因物質の反応が主な原因であるものと、②抗体と原因物質の反応は症状を悪化させる要因の1つに過ぎず、身体の内側からもアレルギー反応が起こるものがあります。

病名で言うと①の要素が強いのがアレルギー性鼻炎や食物アレルギーです。原因の花粉や食材との接触がなければ症状はありません。ですから、治療の第一歩は原因物質の回避です。症状が出現した時に薬剤を使用します。②の要素が強いのが気管支喘息とアトピー性皮膚炎です。抗体が反応する物質を避けるだけでは症状のコントロールは限局的で、身体の内側から起こるアレルギー反応を日頃から薬剤を使用し、沈静化する必要があります。その主な薬剤がステロイドです。吸入や軟膏塗布になります。

以上が大きな枠組でのアレルギー疾患のグループ分けになります。

原因物質(食物)が病名となっていた食物アレルギーですが、症状により、さらにグループ分けされます。原因食材を摂取し、2時間以内に蕁麻疹や呼吸苦、腹痛が起こるのは即時型の食物アレルギーです。これが一般的に言うところの食物アレルギーです。そのような症状以外に、以下の分類があります。

①食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎

これはきちんとしたスキンケア、正しい量のステロイド軟膏塗布を行っていても、コントロールできないアトピー性皮膚炎がある時に疑います。ある特定の食材がアトピー性皮膚炎の悪化因子となっているのです。

適当な症例を担当したことがないので、書籍からの抜粋です。原因食材を除去したら、アトピー性皮膚炎が改善します。しかし、アトピー性皮膚炎が改善しない原因の多くはアレルギーの食材があるのではなく、スキンケアや軟膏塗布量に問題があるのです。

②新生児・乳児消化管アレルギー

頻度は少ないですが、通常の食物アレルギーのように蕁麻疹などの皮膚症状を認めないので、診断は難しいと思います。ミルクを飲むと嘔吐する、熱や血便がでる、体重の増加が不良であるときはこのアレルギー疾患を想起しましょう。抗体が関与するアレルギーではありません。

③口腔アレルギー症候群

生の果物・野菜を摂取すると、口の中が痒くなるアレルギーです。花粉症が原因です。抗体が反応する花粉の成分が果物・野菜にもあるため、生の果物・野菜の摂取でアレルギー反応を認めます。加熱されたジャムや高圧処理された缶詰は摂取できることが多いです。また、胃に入ると胃液で抗体が反応する成分は分解されますので、全身の症状が起こることは少ないです。

④食物依存性運動誘発アナフィラキシー

食べるだけ・運動だけでは症状はなく、原因食材を食べて2時間以内に運動をすると症状が出現します。

原因は小麦が多く、症状は重症です。学童に限ると、甲殻類が多いようです。エピペンが必要です。

 

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