保育士さんの質問に答える その1

【背景】

10月の保育士さん対象の勉強会に際して、あらかじめ皆さんから集計した質問一覧をいただきました。勉強会では全てに答えることができないこともありますが、何より貴重な現場の声ですので、このホームページ上で私なりに答えていきたいと思います。質問の中には非常に難しいものもあり、非常に苦しい回答になることもあると思います(^_^;)

1〜2つずつ掲載していきますので、シリーズにしたいと思います。では、1話いきますよ〜。

ちなみに画像はクリックすると拡大します。

「食物アレルギーが起こったときの具体的な症状・治療について教えて欲しい」

症状:原因の食材を摂取してから、数分〜2時間以内に起こることが多いです。それほど症状出現までに時間を要しません。もちろん、個人差やその日の体調などの差異はあり、負荷試験が終わって帰宅してから症状が出現し、再受診することも稀ですが、あります。また、納豆アレルギー(大豆ではなく)や成人の豚肉・牛肉アレルギーは半日経ってからアナフィラキシーを発症します、余談です。しかし、食べてから2時間以内が基本です。

症状は一見、バラエティに富みます。覚えるのは大変です。下記のとおりです。

出現する症状の頻度は異なります。皮膚の症状、つまり蕁麻疹はほとんどの場合で認めます。そして、わかりやすい症状です。アレルギー発症の目安になると思います。

逆に見逃してはいけない症状があります。

食物アレルギーから重症のアレルギー反応であるアナフィラキシーに進展する可能性がありますが、その死亡原因は窒息とショックです。ショックとは血圧が低下することです。子供の場合は窒息の頻度が多くなるようです。ですから、窒息に進展する恐れがある連続する咳や喘鳴(ゼェゼェ)は見逃してはいけません!

また保育所では血圧の測定はできませんので、子供がぐったりしたときは血圧低下を疑い、横にして脚を少し高くしてあげましょう。脚の血液を心臓に戻すイメージです。

次に食物アレルギーの治療です。

抗ヒスタミン薬という内服薬があります。アレルギー性鼻炎の治療薬として有名でしょうか。薬局ではアレジオンやアレグラが販売されています。ヒスタミンというのはアレルギー細胞から放出されるアレルギー反応を起こす物質の1つで抗ヒスタミン薬はこのヒスタミンをブロックします。食物アレルギーに対しても治療の中心です。蕁麻疹、鼻炎、口腔の痒みには効果がありますが、呼吸のゼェゼェ、お腹の症状、グッタリした時にはあまり効果が期待できません。症状は一過性で時間が薬という面もありますが、命に関わる症状(連続する咳やゼェゼェ、ぐったり)や我慢できないお腹の症状(繰り返し吐く、お腹の痛みが強い)のときにはエピペンの筋肉注射が必要です。

薬だけではなく、体位も大事です。蕁麻疹が出て、元気がなくなった子は血圧低下が疑われますので、下記のように横にして少し脚を高くしてあげましょう。アナフィラキシーガイドラインからの抜粋です。

また、6時間後以降に症状が再び出現することがあります。アナフィラキシーまで起こしてしまうとその1割の子で症状が再び起こると言われています。症状が一旦治まっても、その日は注意が必要です。運動などは控えましょう。

次回は「アレルギーに対処する上で日頃から準備すべき事や物は?」です。

 

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