吸入指導 -pMDI編- スペーサーまで届かず・・・

気管支喘息の治療には日頃からの炎症を抑える治療であるステロイド吸入が大切であることは今までの記事でアップしてきました。今日はその吸入薬の実際の吸入の仕方についてアップします。

まず、吸入薬に大きく2つの種類があります。略語ですが、pMDIとDPIです。pMDIはスプレーのイメージです。ボンベを押すとシュッと霧状・ミスト状の薬剤が出てきます。DPIは粉の薬剤を自ら吸い上げて吸入します。それぞれ特色があり、使い分けがあります。年齢という観点から使い分けた例が下の図です。

乳児から幼児はスペーサーをつけたpMDI、幼児から学童期に入る頃にDPIへ、そして、高齢になり、吸入する力が落ちてきたらpMDI±スペーサーというのを示しています。

この記事ではpMDIについて触れます。pMDI製剤は薬剤と噴射剤がボンベに充填されており、ボンベのお尻を押し込むことで霧状の薬剤が噴霧される仕組みです。

では、早速吸入の仕方は・・・いえいえ、その前にやらないといけないことがあります。2つもあります。

①吸入薬を振って、ボンベの中の薬剤を混ぜないといけません。ボンベの中には薬剤と噴霧剤が入っています。容器を十分に振ってその両者を均一にしておくことが必要です。マニアックな話になりますが、薬剤と噴霧剤が最初から均一になっていて、振る必要がない吸入薬があるのも事実です。しかし、その製剤はステロイド吸入単剤です(キュバール、オルベスコ)。多くの場合、発作時には気管支拡張薬のpMDIを吸入することになりますが、この気管支拡張薬のpMDIは吸入前に振らないといけません。もう、単純化してpMDIは吸入前に振ると覚えたほうがいいです。

②新しい吸入薬を最初に使う時はカラ噴霧をしなくてはなりません。製剤によって回数が違います。また、人間忘れるものですから、数日吸入していなかったときもこのカラ噴霧は必要です。各吸入剤のカラ噴霧回数です。

さぁ、いよいよ吸入です。吸入薬を手に持って・・・ここにも落とし穴があります。そう、ボンベの向きです。日常生活にあるスプレーはヘアスプレーも殺虫剤も掃除洗剤もボンベは下向きで押します。ところが、pMDIの吸入薬は反対のボンベは上向きなのです!!この向きでないと一定量の薬剤が噴霧されません。

ボンベを正しい向きで持ったら、吸入器をくわえる前にかるーく息を吐きます。そして吸入口を軽くくわえてシュッとボンベを押して噴霧します。

ボンベを押すと同時に吸入するのですが、息を吸い込むスピードもとても大切です。急いで吸い込んではいけないのです。深呼吸するようにゆっくり5秒かけて吸い込みます。息を吸い込むスピードで薬剤の肺への届き方が違います。勢いよく吸い込むと肺の手前の気管に薬剤がくっついてしまい、肺に到達できる薬剤の量は少なくなります。

吸い込んだあとにもコツがあります。吸い込んでそのまま息を吐くと、せっかく吸い込んだ薬剤がそのまま出てきてしまいます。ゆっくり吸い込んだ後は息をとめましょう。ゆっくり5秒数えてください。気管支拡張薬を吸入し、息を止める時間を変えて肺機能の改善を比較した試験です。4秒よりは10秒がいいようですが、無理のない範囲で行いましょう。

吸入後は、口腔内のカンジダ(カビ)症にならないようにうがいを行って下さい。これは耳鼻科の先生に教えてもらったことですが、口腔内のカンジダ症になる人は、吸入を寝る前に行っている人に多いとのことでした。口腔内のカンジダ症を繰り返す方は朝起きてから夕食までの間に吸入したほうがいいと思います。

力が入りにくい方は、ボンベを押すのも大変だと思います。ある程度の力が必要です。でも、薬局にはテコの原理を利用して力をさほど必要とせずボンベを押せる補助器具があります。無料です。

この力の単位がわかりませんが、補助器具をつけることで押す力が半分くらいで済むようになります。ボンベを押すのに一苦労という方は薬局で申し出て下さい。

スペーサーの話までアップする予定でしたが、力尽き・・・本日はpMDIのみとさせていただきます。

吸入の仕方は実際に動画を視聴したほうが絶対にいいと思います。Youtubeにも製剤ごとに視聴できます。

フルティフォーム:https://www.youtube.com/watch?v=RK_KezDMisA

アドエアエアゾール:https://www.youtube.com/watch?v=XClKvOOXp0c

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