卵アレルギーと来年度の負荷試験の試案

ついに乳幼児の3大アレルギー食材に触れます。実はボリュームが多いので敬遠してました。困っておられる方が多いのも事実だと思います。

0〜19歳までの食物アレルギーの原因食物として1位の座に君臨するのが鶏卵です。アレルギーの原因となるのは、ほとんどが卵白中のタンパク質です。その中でも最もアレルギーを起こしやすいタンパク質がオボムコイドです。具体的な名前を挙げたのは、オボムコイドは血液検査で抗体が測定でき、負荷試験の是非の参考になるからです。卵黄摂取でアレルギー症状が出現しても、ほとんどは卵黄に混入した卵白成分が原因と考えられます。ウズラやアヒルなど他の鳥類の卵にも反応する可能性はありますが、魚卵には反応しません。

症状としては他の食品に比較して、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状が多い傾向があります。

成長とともに治りやすい食材で、3歳までに約30%、6歳までに約70%が症状がでなくなります。治りにくくする要因としては「アナフィラキシーの既往」、「他のアレルギー疾患の合併」、「抗体の値が高いまま推移」が挙げられています。逆にオボムコイドに対する抗体の低下は食べることができるようになってきている可能性を示唆します。

検査に関しては、もちろん、卵白・卵黄、オボムコイドに対する抗体を測定し、参考にします。抗体が高い場合は微量からの負荷試験を考慮します。乳児は卵アレルギーがあっても抗体が陰性になることがあります。その場合は皮膚試験が有用です。皮膚試験までして陰性なら、「う〜ん、大丈夫じゃないかな」と心の中では思ってしまいます。卵アレルギーが治りやすいのは「微量でも摂取継続できていること」、「オボムコイドに対する抗体が低下してきていること」です。ですから、負荷試験を行い、少しずつ食べることができる量を増やして行くのが大切です。

下記は現在試作中の負荷試験の方法です。通常は1日で4回くらいに分割して、少しずつ増やして食べていく検査ですが、システムが整うまでは2回に分割まはた1回で食べる方法を検討しています。ステップ0から開始し、症状が出現しなかったら、1ヶ月程度間隔をあけて次のステップの量の負荷試験を行う方法です。
各ステップをクリアするごとに下記のような加工品の参考資料を使おうと思っています。クリアしたステップの量以下の卵を含有する加工品です。次のステップの負荷試験まで継続した摂取を行う一助になるようにですね。微量の場合は家庭で作るのも難しいので加工品を上手く取り入れていくのがいいと思います。

ガイドラインにも銘記されている「食べられる範囲で食べていく」です。きちんと細やかな指導をして定期的に食べれる量を食べ、少しずつ食べれる量を増やしていった群はそうでない群より1年後に食べることができる卵の量が多かったというのが下の報告です。

卵の抗原性(アレルギーを引き起こす力)は調理法で変化します。加熱の条件では固ゆで卵でも12分の加熱では11.8%、20分の加熱では6.1%にオボムコイドの抗原性は低下します。加熱時間の短い炒り卵ではオボムコイドの抗原性はほとんど低下しません。また、加熱に加えて、小麦が加わることでさらなる抗原性の低下があります。クッキーやカステラ、パンなどでは実際に使われている卵の量より抗原性は低下しています。しかし、実際どれくらいなのかと具体的な話はできません。ですから、卵の抗原性の話は難しいのです。

卵は理想的なタンパク源です。除去が必要な場合は動物性・植物性タンパク質で補いましょう。赤身の肉や魚(ヘム鉄も豊富)、大豆や乳製品を意識して摂取しましょう。卵黄には鉄も多いので、鉄分の摂取も大切です。調理面での置き換えは①起泡性→重曹、 ②凝固性(つなぎ)→豆腐+片栗粉、すりおろしたイモやレンコン、牛乳(豆乳)にひたしたパン粉(米パン粉)などを利用します。

基本的に除去の必要がないものとしては、鶏肉、魚卵、卵殻カルシウムです。逆に卵に含まれる塩化リゾチームが総合感冒薬、鎮咳薬、外用薬に含まれることがあるため、使用しないよう注意してください。

また卵アレルギーに関してはまとめなおします。

 

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